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KILALA油画科卒業生の野澤聖さんが東京藝大を首席で卒業されました。

野澤作品.gif

こんにちは。KILALA美術学院の事務の小林です。

この度、KILALAの油画科卒業生の野澤聖さんが、2014年3月東京藝術大学油画科卒業にあたり、東京藝術大学大学美術館買い上げ賞を受賞され、首席でご卒業されました。この賞は各科から1名選ばれる賞だそうです。誠におめでとうございます。

当時からの担当をしている石川先生から、お祝いの言葉を頂いたので掲載致します。

(右記作品画像は、2010年東京藝術大学合格時の入試再現作品です。)

 さほど広いとは言えないアトリエで、野澤君はたった一人で絵を描いていた。

講師も僕一人。浪人生の彼にとっては、少々心許ない環境だったに違いない。
当初は反目することもあったけれど、お互いに腹を割って話した。僕ら二人以外は誰もいないのだから、遠慮する必要はどちらにもなかった。
議論は時に数時間にわたった。如何にして向上するかを語り、いい絵とは何かを語るうちに、わだかまりは氷解し、強い絆を作り上げた。
彼は全力で疾走した。僕も彼を夢中で追いかけた。一蓮托生で頑張った。

生来の気性からか、不調が続く時期も少なくなかった。
入試直前でもその乱気流は彼を翻弄し、あわや墜落寸前というところまで低迷した。
しかし、彼は絶対に諦めないのだった。
歯を食いしばり、涙を流しながらも、彼は描き続けた。

合格を告げる掲示板の前で、拳を振り上げて快哉を叫ぶ彼の姿を、僕は一生忘れない。

芸大に入学してからも、彼は足繁くアトリエに来てくれた。講師としての辣腕も生半可なものではかったが、画学生としての懊悩もまた、より深度を増していた。
彼はいつも屈託しているのだ。くよくよと思い悩み、時に弱音を吐く。図々しいほどに、まるで形振り構わない。しかしやはり、彼は絶対に諦めないのだった。

そして今、野澤聖は首席卒業という偉業を成し遂げた。

彼の居たアトリエでは今も、受験生たちが絵を描いている。彼と同様に、時に悩み、苦しみながら自分の作品と向かい合っている。
あのとき培った精神は、今もここに息づいている。

油画科講師 石川展光

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